有村風も味方に逆転！連覇！スタンレーレディス

＜女子ゴルフ：スタンレーレディス＞◇最終日◇１５日◇静岡・東名ＣＣ（６５２０ヤード、パー７２）◇賞金総額９０００万円（優勝１６２０万円）

　有村智恵（２４＝日本ヒューレット・パッカード）がキャリア初の大会連覇を成し遂げた。短縮９ホールとなった最終ラウンドを１バーディー、１ボギーの３６で回り、通算５アンダー１０３で２７ホールの短期決戦を制覇。今季２勝目、通算１２勝目を挙げた。この大会は昨年に続く３勝目。優勝会見では、来季以降に本格的に海外メジャー制覇を目指すことを宣言した。

　風までもが、連覇を狙う有村の味方をした。１４番パー４、５メートルのバーディーパット。有村はいったんアドレスを解き、ボールを置き直した。「風でボールが揺れていた。イメージがはっきりしないままアドレスに入ってしまっていたので、いい間が取れました」。風の“諭し”で、あいまいなイメージがはっきりした。この日初のバーディー。２位との差は２打に広がり、勝利が大きく近づいた。

　「つくづく相性がいい。今回はプロアマでも勝ちましたし、コースから愛してもらっているのかな」。まだプロ未勝利の０７年には、上田、横峯とのプレーオフに進出。敗れて２位に終わったが、上田とのサドンデスにまで残った。０９年には今回と同じ短縮競技を制して優勝。１１年は初日に、アルバトロスとホールインワンを１ラウンド中に達成するという偉業も成し遂げ、そのまま優勝した。

　今後へのヒントも得た。前週は出場を辞退した全米女子オープンをテレビ観戦。チェ・ナヨンが、ショットやパット前にイメージを固める重要性を説いたコメントが、心に残った。「確実に成功するイメージが固まるまでアドレスに入らない。これを試して、うまくいったのは自信になった」とうなずいた。

勝ったことで、将来にも目が向く。「今季２勝目を挙げて、ようやく今後の方向性を考えられる。来年は海外メジャーに挑戦したい」。９月の全英オープンも出場未定と、今年は国内優先が基本方針だが「チェ・ナヨンの優勝を見て、なぜ自分は出なかったんだろうと思った。これからはメジャーで勝つために行動していきたい」と言い切った。

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